「枇杷葉温圧療法」とは、ビワの葉とモグサ(温灸)に指圧の力を加えたものです。それらの相乗効果によってすばらしい威力が発揮され、その効き目は迅速で確実。
ビワの葉もモグサもそれぞれが三千年という長い歴史を持ち、民衆の手によって受け継がれ実績を重ねてきたことを考えれば、枇杷葉温圧は目下最強、もっとも優れた民間療法といえるでしょう。
枇杷葉温圧療法は次のようなはたらきを持っています。
(1)血液の浄化
(2)体液循環の促進(血液・リンパ液・胆汁・水分等)
(3)筋肉の柔軟化
(4)自律神経を整える
(5)内分泌系を整える
(6)内臓諸器官の正常化
(7)以上の働きによって生命力が賦活される
枇杷は中国南西部を原産とする常緑中高木。サクラ、ウメ、アンズ、モモ、リンゴ、ナシなどと同じくバラ科に属する植物です。日本への渡来は古く、平安時代の『本草和名』にもその名が見られます。
ビワの持つ薬効については三千年も昔、お釈迦様の時代から知られており、インドの古い教典によればビワの樹は「大薬王樹(だいやくおうじゅ)」、ビワの葉は「無憂扇(むゆうせん)」と呼ばれていました。
仏典『大涅槃経(だいねはんきょう)』の中では、「薬効のある植物はいろいろあるが、中でも大薬王樹(ビワの樹)は特に優れ、枝・葉・根・茎のすべてに薬効成分が含まれており、水や蜜、牛や山羊などの乳に混ぜて飲んでもよし、炙って身体にあててもよし、手で触れただけでも、生けるものすべての病気を治す」と説かれています。
また中国でも、明の時代に著された代表的な薬草書『本草綱目』に「胃を和し、気を下し、熱を清し、暑毒を解かし、脚気を療ず」とビワの葉の優れた効能が記載されています。
ビワの葉の主成分はブドウ糖、ショ糖、果糖、マルトース、デキストリン、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、サポニン、タンニン、アミグダリンなどです。この中で最も注目したいのが「アミグダリン」。
アミグダリンは「ビタミンB17」または「レートリル」とも呼ばれる物質で、ベンズアルデヒド、糖、青酸(シアン化水素)からなる青酸配糖体です。エムルシン等の酵素によって上記の物質に加水分解されます。
アミグダリン(ビタミンB17)は、1830年にドイツのリービッヒ博士により発見され、その後アメリカのクレブス博士父子によるガン研究で広く知られるようになりました。アミグダリン(ビタミンB17)はガン細胞の周囲にあるベータグルコシダーゼという酵素に触れると、シアン化合物を出し、ガン細胞を殺します。一方で正常細胞に近づき、その周囲にあるロルターゼという酵素に触れると安息香酸に変化し、免疫力の強い細胞をつくります。
クレブス博士によるビタミンB17療法創案の契機となったのは、世界有数の長寿国「フンザ王国」の人々が常食としていた杏仁(杏の種)でした。アミグダリン(ビタミンB17)は杏の種の中に高度に含有されていますが、ほかにもプルーン、プラム、サクランボ等の種、水ゼリ、アルファルファ、竹の子、アーモンドや、あわ・きび・ひえといった穀物などに豊富に含まれています。
そして忘れてならないのが、もちろんビワの葉です。ビワの葉には杏の種同様に、アミグダリン(ビタミンB17)がもっとも多く含まれています。古来よりビワの葉によってもたらされてきた恩恵の多くは、このアミグダリン(ビタミンB17)のはたらきによるものにほかなりません。